本会に関係する方の新刊を紹介するページです。
2023年8月15日刊行
『陸軍少将岡原寛 戦中・戦後日記―演説の名手が生きた銃後と戦後―』
戦時下通算千回を越す演説を重ねた軍人と銃後の関わり、また敗戦後の思想とくらしを伝える稀有な記録
太平洋戦争末期から戦後まもない時期にかけて残された陸軍少将岡原寛(ゆたか)の日記には、大本営発表に一喜一憂し、大阪大空襲を民衆覚醒の契機ととらえ、八月一五日の悲憤や、戦後「国体護持」への思いが吐露されるなど、国民の指導者たらんとした高級軍人の認識と暮らしぶりが克明に刻まれる。 軍需工場や農村の若者を「感激の渦中」に没入させた講演速記録を日記とともに収録する本書は、講演によって銃後をささえた軍人の歩みと思想から、極限の時代を再照射する。
本書の監修の小田康徳さんは本会の会長、解説の横山篤夫さんは本会の理事を務められています。
2023年7月10日刊行
横山篤夫著
『「英霊」の行方』
私たちは「英霊」をどこへ置き忘れてしまったのか。戦争遂行のために利用された霊魂は、歴史研究者たちの手により、旧真田山陸軍墓地において、戦争遺跡からいまや平和の礎としてメッセージを発している。
横山篤夫著
『銃後の戦後』
忠霊塔建設運動、遺族への物心両面への補償などが戦争遂行の機運を高めたが、敗戦後その課題にどう取り組まれたのかを明らかにする。
この2冊は、本会理事の横山篤夫さんがこれまで進めてこられた、旧真田山陸軍墓地、忠霊塔、戦死者遺族、公葬、軍人墓の研究をまとめられたものです。
2022年11月30日刊行
地方史研究協議会編
『日本の歴史を突き詰める おおさかの歴史』
本書は「おおさか」を取り上げる。あえてひらがなで表わすのは、地域概念としての「おおさか」への関心は全国的であり、時間的な広がりを持つことによる。その概念はまた、全国的であるがゆえにデフォルメされた情報も少なからず含まれいる。なので全国に大きな影響を与え続けてきた、例えば古代における難波宮、豊臣氏の大坂城、あるいは各時代を通じて発展を示した文化・学問といったような大きなテーマは本書ではあえて取り上げていない。
取り上げるのは、執筆者が持ち寄った地域に残された史料である。その史料を検討し、そこから見通される歴史認識を再構築していくのが本書の「おおさか史」である。地方史の研究者は、身近に残る資料を手がかりに、どれほど思考を重ね、ときには悪戦苦闘を重ねているものか。刺激に満ちた推理過程は、歴史を理解するとはどういうことか、「おおさか」の歴史を真に知りたいと願う人に、楽しく、間違いのない導きの糸となっていること請け合いです。
第10章に「日本最古の陸軍墓地と日露戦争戦死者葬儀―真田山陸軍墓地・彰忠会・町葬」として旧真田山陸軍墓地が取り上げられています。
2022年5月5日刊行
小田康徳著
『軍隊と戦争の記憶 旧大阪真田山陸軍墓地、保存への道』
戦争遂行のために作られた旧真田山陸軍墓地は、敗戦後の「平和」の中で人々の記憶から忘れ去られようとしていた。この本は戦争のための軍人墓地を真の平和の記念碑として未来に残すため葬られた人々、遺された人々の声を聴きながら、「戦死者追悼」の意味を問う、地道な努力の記録である。
著者の小田康徳さんは本会会長を務められています。
2021年1月刊行
今井昭彦著
『近代日本と高崎陸軍埋葬地』
「陸軍埋葬地」の歴史民俗学 「軍都」高崎での事例をもとに陸軍埋葬地(墓地)のありようについて、詳細な墓碑調査を通じて描きだす。
著者の今井昭彦さんには、2014年11月30日開催の研究報告会(現陸軍墓地講座)にて「群馬県における戦没慰霊」と題してご報告いただきました。